交通事故の被害者の方へ/その他の情報
高次脳機能障害(7級)で画期的判決を得ることができました
(仙台地裁・平成20年3月26日判決)
事案の概要
平成15年1月、永年勤務してきた会社を退職後、非常勤嘱託職員として勤務していた当時55歳の男性が、交通事故で脳外傷等の受傷をし、自賠責保険から、高次脳機能障害(7級4号)、左鎖骨の変形障害(12級5号)、左耳難聴・耳鳴(12級相当)で後遺障害併合6級の認定を受けました。
判決内容の画期性
自賠責保険が高次脳機能障害7級(併合6級)の認定をしたときは、自賠責保険の認定に追認する傾向が強い裁判所は、以下のような判断をするのが通常です。
(判例相場)
| 被害者本人の後遺障害慰謝料は | 1180万円(平成14年度・赤本基準) |
| 被害者の妻の後遺障害慰謝料は | 否定 |
| 労働能力喪失割合は | 67% |
ところが、我々はそのような自賠責保険の認定を追認している裁判所の態度は、裁判所が最終の損害認定機関であることを自ら放棄するものであることを指摘すると同時に、高次脳機能障害被害の実態、家族の苦悩の深刻性を粘り強く主張・立証したところ、以下のとおり判決が下されました。
(今回の判決)
| 被害者本人の後遺障害慰謝料は | 1300万円 |
| 被害者の妻の後遺障害慰謝料は | 100万円 |
| 労働能力喪失割合は | 73% |
勝因
やはり証拠です。この事例では、被害者の奥さんが、ご主人の様子が何かおかしいと感じて以降、ネット情報などを詳しく調べ、その結果、高次脳機能障害に精通している医師を初めとする各種専門家から的確な指示を受け、医療記録や日誌を初めとする各種の記録をキチンと残しておいたことが大きかったです。これに対し、事故から数カ月以内に高次脳機能障害を疑わせる症状が顕現しているのに、カルテ等の医療記録に一切記載がなく、証明する資料としてご家族の記憶しかない場合は、立証はほぼ絶望的となります。
まとめ
裁判は証拠です。いくら真実の主張をしたところで、その主張が真実であることを証明する証拠がなければ、その主張内容が裁判上認められることはありません。高次脳機能障害患者さんのご家族の方は、何か様子がおかしいと感じたときから、本件事案の奥さんのように、徹底的に調査して最適の医師を探し出し、克明なメモを取っておくように心がけて下さい。
以上、少しでも完全な被害回復に近づくことが出来ますよう、心よりお祈り申し上げます。
