後遺障害

東洋医学による治療 〜頸部痛、腰痛、その他の神経症状で苦しんでおられる交通事故被害者の方へ〜

第2 東洋医学と西洋医学

1 東洋医学と西洋医学の違い

(1) 違いの概要

両者とも、基本的には、生命体が本来的に有している自然治癒力に働きかけて病気を治そうとしている点では共通しています。
しかし、その治療方法は大きく異なります。
比喩的に、西洋医学毒を押さえ込むか、叩きのめす医学であるのに対し、東洋医学は、毒を体外に出す排毒の医学であると言われています。
また、西洋医学対処療法であるのに対し、東洋医学根治療法であると言われています(その他の相違点については本稿に直接関係ありませんので、他の文献やネット情報に委ねます)。

 

(2) 具体例
  1. 風邪の対処法
    西洋医学では、薬(化学物質)で、嘔吐、咳、下痢などの症状を止め、解熱剤で熱を下げ、病原菌を抗生物質で押さえ込み、叩きのめします。
    東洋医学では、嘔吐も咳も下痢も発熱も、体内センサーが毒(病原菌)を探知して、毒 を素早く体外に排出しようとしている自然治癒反応と考えるので、よほど酷くない限り放置します。無理に迎え込むことはしません。むしろもっと排毒効果(免 疫力)を高めるため、熱を上げるための葛根湯(その成分の大半は生姜です)を処方します。
    西洋医学による治療方法では、嘔吐、咳、下痢、熱は、すぐに治まります。そして抗生 物質で病原菌を殺します。しかし、体内に存在しない化学物質で病原菌を殺したので、体内に抗体が醸成されません。ですから、結局、新たな病原菌が体内に侵 入してきたときは、身体がこれに対処出来ず、また同じ治療が必要となります。ですから対処療法と説明されます。
    東洋医学による治療方法(と言っても、ほとんど何もせず、食事も採らずに、ただ寝ているだけなのですが)では、吐き気、咳、下痢、熱などは治まりませんが、毒が体外に排出され、体内に抗体ができて、風邪にかかりにくい体質になりますから、根治療法と説明されます。
  2. アトピー皮膚炎や発疹に対する対処方
    西洋医学では、炎症や発疹は病理現象と考え、炎症や発疹を抗ヒスタミンやステロイド剤などの化学物質を体内に大量投与し、毒(病原菌)を押さえ込もうとします。ついでに痒み止めや、肌荒れの薬も出します。
    東洋医学では、皮膚の炎症も、風邪による咳、下痢、発熱と同様、体内センサーが毒を探知して、毒を素早く皮膚を通じて体外に排出しようとしている自然治癒現象と考えますから、基本的には放置します。
    むしろ、もっと排毒効果を促進するため、食事療法などで体温を上げて新陳代謝を促進したり、体質改善を図るべく断食療法が採用されることが多いとされています。断食療法とは基本的に何もしないことです。
    西洋医学による治療方法では、皮膚の炎症や痒みは軽減されますが、そもそも病原菌である毒が体外に排出されませんから、一時的な対処療法と説明されます。
    東洋医学による治療方法では、炎症、痒みは治りませんが、毒が体外に出て、体質改善により再発させない状態にしますから根治療法だと説明されています。
  3. 癌に対する対処法
    西洋医学では癌の発生は病理現象であり、癌はその病理結果と捉えますから、癌細胞を手術で摘出するか、放射線や抗ガン剤で押さえ込むか壊滅させようとします。
    東洋医学では、癌は、血液中の毒を取り除く為、血液中の毒を一箇所に集めた集合体で ある。だからそれは、排毒のための生体反応(生理現象)と見るようです。排毒のための生体反応と捉えるので、摘出も壊滅させることもなく、むしろ血液の浄 化装置である癌細胞と共存しつつ、血液を浄化することによってその浄化装置に頼らなくてもいい身体に体質を改善させようとします。そのため、癌細胞が熱に 弱い(『心臓癌』って聞いたことありませんよね。心臓は人の臓器の中でもっとも熱を帯びた臓器だからだそうです)性質に着眼し、まず癌発生の根源である血 の汚れを除去し体温を上げる為の食事療法(漢方投与や断食を含む)、その他各種の温熱療法がとられます。
    西洋医学では、癌細胞が除去されたら完全治癒(完治)と評価されます。癌細胞が体内 から無くなるのですから、一見すると根治療法のように思われます。しかし、癌細胞が発生した原因それ自体には何ら対処がされていませんから、再発や転移の 問題が付きまといます。対処療法と言われている所以です。
    これに対し、東洋医学は、癌細胞が発生した原因(血液の汚れ)それ自体に着眼した治療法を採用して、癌を死滅させ、再発させないように体質を改善させようとしますから根治療法と説明されています。

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