交通事故被害で泣き寝入りしないための7つの鉄則:被害者請求

被害者請求

後遺障害の認定手続きは被害者請求でする。

鉄則7

※被害者請求の意味については、『被害者請求の有利性とその裏技』を参照下さい。

自賠責保険で適正な後遺障害等級が認定されるには、必要かつ十分な症状と検査結果が記載された診断書及び後遺障害診断書が絶対に必要となります。
特に、見えにくい障害と呼ばれる、画像所見の乏しい高次脳機能障害、脊髄不全損傷、外傷にともなう頸椎捻挫や腰椎捻挫 等の各種神経症状、RSDなどはその必要性が高くなります。

ところが、自賠責保険で適正な後遺障害の認定を受けるために、必要十分な症状の記載と検査の実施をするよう主治医に働きかける義務が相手方任意保険会社にあるわけではなく、実際しません。
任意保険会社としては、ほとんど何も書いていない後遺障害診断書を病院から受け取り、それを自賠責保険に提出すれば十分なのです。
これでは、まともな後遺障害の等級認定がされるはずもありません。

例えば、高次脳機能障害などその後遺障害の認定に困難を伴うケースでは、適正な後遺障害の認定を受けるために、自賠責保険が事前に用意している定型書式を提出するだけでは足りず、介護者や職場の同僚等の詳細な陳述書、症状経過の時系列表、弁護士や医師の意見書を添付して提出する必要があります(この詳細については、『高次脳機能障害で泣き寝入りしないための10の鉄則』をお読み下さい。)。
しかし、任意保険会社に後遺障害の認定手続きを依頼したときは(これを事前認定手続きと言います。)、任意保険会社はそのような面倒な作業はしませんし、 する義務もありません。規定どおりの定型書式を自賠責保険に提出して、それで終了です。
これでは適正な後遺障害認定を期待することは出来ません。被害者の自助努力が要求されるところです。

このことは、高次脳機能障害に限らず、神経症状にかかる後遺障害など、その認定が必ずしも容易でない後遺障害 のケースに当てはまります。したがって、後遺障害診断書が完璧で、必要かつ十分な他覚所見等の医証が具備されている、ほとんど無い稀なケース以外は、被害者請求にて後遺障害認定を受けることが賢明です(もっとも、カルテや画像が多い場合は別途の考慮が必要です)。

コラム 神経学的異常所見って何?

頸部損傷や腰部損傷に関する後遺障害の認定のケースでは、自賠責保険であれ、裁判所であれ、必ず他覚所見として神経学的異常所見があったかどうか、が問題とされます。
では、そもそも神経学的異常所見と言った場合の「異常」とは、具体的にどのような内容の異常を言うのでしょうか。
それは、反射、筋力、知覚の異常のことです。反射の異常は腱反射テストで、筋力の異常は、MMTや筋電図テストで、知覚異常は、神経伝導速度検査などで調べるわけです。

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他覚所見を得る方法

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後遺障害認定の落とし穴
~他覚所見と因果関係~

交通事故被害で泣き寝入りしないための7つの鉄則
はじめに
  • 鉄則1
  • 鉄則2
事故直後の鉄則 ~自身でする事後調査
(警察任せにすると後悔します)~
  • 鉄則3
供述調書にサインする前に
  • 鉄則4
  • 鉄則5
  • 鉄則6
後遺障害の立証の鉄則 ~自身でする症状経過メモ
(医師まかせにすると後悔します)~1
  • 鉄則4
  • 鉄則5
  • 鉄則6
後遺障害の立証の鉄則 ~自身でする症状経過メモ
(医師まかせにすると後悔します)~2
  • 鉄則4
  • 鉄則5
  • 鉄則6
他覚所見を得る方法
  • 鉄則7
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後遺障害認定の落とし穴 ~他覚所見と因果関係~